ゆなづきゆかりでみんなのうた〜ゆなさんとくにいさんが好き勝手やっちゃうやつ〜

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yu-ji ライナーノーツ的な何か

はじめに

このCDを手に取ってくださった、皆様本当にありがとうございます。
はじめまして、このCDに入っているギターを弾かせて頂いたyu-jiです。
ゆなさんのライブや作品で、時々ギターを弾かせてもらっているyu-jiです
と書くと、ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。

くにいさんから、おしゃべりトラックにもお誘いただいたのですが
僕はマイクの前で話すのはあまり得意ではないので
ライナーノーツのようなものを書いたりした方が良いかと考え
筆を取らせて、といいますか、キーボードを叩かせて頂いております。

 

企画の成り立ちなど。

まずは企画の成り立ちなどから振り返ってみようかなと。

去年の秋頃、げろすリー楽しかったな、とツイッターを眺めていた僕は
こんなくにいさんのつぶやきを見つけました。

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あすたるえごうたいたい
ゆなさんにあいそう
みんなのうた、誰か伴奏してくれないかしらー。みんなのうた第二弾も作りたいわー
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これはゆなさん喜びそうだな、ギターで弾けそうか調べてみよう、と
曲と楽譜を入手し、ギターで軽く弾いてみて、これならお二人に歌ってもらえそうだな、と目星をつけておきました。

その後、M3でゆなさんと……

yu「ゆなさん、くにいさんは歌が上手ですね」
ゆ「うん、くにいさんは歌がとてもお上手」
yu「さっき『みんなのみんなのうた』を頂いて来たんですよ」
ゆ「その中ではラジャ・マハラジャーが特にすごい」
yu「ところで、くにいさんとみんなのうたの曲を歌うっていうのはどうでしょうか?」
ゆ「え?どうって?……出来たら良いけど……なあにそれ?」
yu「(かくかくしかじか)」
ゆ「……良いわね……それはとても良いわね……!」
yu「じゃ、くにいさんにも相談させてもらってきますね」

…というような相談の後、くにいさんに相談させてもらったところ
じゃあロバちょっとすねたも!今度メールします!というお返事を頂き
その二日後には全17曲に及ぶ候補曲リストが送られてきました。

17曲です。
付け加えておきたいのは、くにいさんは『みんなのみんなのうた』でまとめられた2枚のカバーCDで
すでに14曲のみんなのうたカバーを作られていたという事です。
それらとは一つもかぶる事なく、17曲です。

その後、候補曲は、後日くにいさんがツイッター上で募集のような事をされて3曲ほど増え
現実的な制作へ向けての打ち合わせで1曲、さらに制作途中で1曲が追加されました。
最終的に候補曲は約21曲となりました。

正直なところ、まさかこんな曲数になるとは思ってはいませんでした……。

 

アレンジについて

アレンジについては、くにいさんが以前に作られた『みんなのみんなのうた』は歌とピアノだけのアルバムであった事と
僕がギターと歌とあとちょっとくらいのアレンジを考えるのが好きな事もあり
『みんなのみんなのうた』のギター版というわけはないのですが
個人的には、その続編的な気持ちで楽器数の少なめのアレンジを考えていきました。

出来が良いものを歌って頂こうと、とりあえずざっと考えてから何回にわけて
録音してみては送りつけ、録音してみては送りつけ、録音してみては送りつけ
という風に進めていったのですが、最終的にギターを録音させてもらう曲が
まさかこんな曲数になるとは、思っていませんでした……。

くにいさんとゆなさんと相談しながら
ピアノでアレンジしてもらった方が良い、と思った曲は、セバスチャンさんやnakiさんにお願いし
単音楽器を足してもらいたい曲は、マスタリングをお願いする予定だった相川さんに笛を吹いて頂きました。

そして選曲の段階から、この曲は瀧沢さんが歌うと素敵なのでは? この曲は葉山さんが歌うとかっこいいのでは?
この曲はnakiさんにアレンジしてもらいたい! という話が、いろいろと出ていた事もあり
ゲストVo.という形で、瀧沢一留さん、nakiさん、葉山りくさんをお誘いする事になりました。

いくつかの曲には、ギターと歌だけでほぼ出来上がった後にくにいさんにコーラスを入れてもらったのですが
どの曲も単に音を厚くするというにはまず留まらず、色々なアイデアが入ったものを作って頂きました。
うまく言葉が見つかりませんが、くにいさんのコーラスは本当にすごかったです。

 

以下各曲について

・ロバちょっとすねた

ロバちょっとすねたは、くにいさんとのギターでみんなのうたの伴奏を、という話の中で2番目に出てきた曲でした。
ちょっと不思議で少し難しめの曲だったのですが、YouTubeでウクレレで弾き語りをしている方がいらっしゃり
その演奏を少しギターアレンジの参考にさせて頂きました。少し参考にしすぎてしまったかなと思った事もあり
軽い気持ちで、少し相川さんに笛を入れて頂こうとお願いしたのですが……
すごいがっつりと吹いて頂いてしまい、なんだかすごいことになってしまいました。笛すごい。

・アスタ・ルエゴ

アスタルエゴは、最初にかかせてもらったのですが、この企画そのもののきっかけでもあります。
そんなわけで一番最初に手を付けた曲になります。

アレンジとしては、ゆなさんがメインで歌って、くにいさんにコーラスというか
原曲にもある「ふう!」とか「ぱぱぱん!ぱぱぱん!」とかをやってもらったら楽しいのではないだろうか……
という思いつきだったのですが、なんだか素晴らしいですね。とっても楽しかったです。
これもとても、ゆなづきゆかり的ですね。

ギターは、ちゃんちゃかちゃんちゃか、と裏打ちのようなものと普通のストロークを切り替えてつつ弾いていますが
わりとギターはどうでもよくて、この曲はくにいさんのコーラスアレンジの曲ですね。

・トレロ・カモミロ

トレロ・カモミロは闘牛士の歌、という事で、少しだけでもフラメンコ風味を少し漂わせてみることを目指してみました。
僕は葉山さんと以前からゆなさんのバンドでご一緒させてもらったりしていたのですが
メインで歌って頂いたことがなかったので、今回歌って頂けてとても嬉しかったです。

あまり知られていないような気がしますが、葉山さんはパーカッションもお上手で
録音では、ゆなさんの商業同人再録混合ベスト?のIn other wordsの1曲め
『バプテスマの憂鬱-live version-』でタンバリンが聞く事が出来ます。ロールがすごい。
今回はちょっとフラメンコ風ということで、カスタネットを叩いてくださいました。

・おしゃべりのBGM

おしゃべりトラックのBGMも弾かせて頂いたのですが これは締め切りがだいぶ近くなって来た頃に、くにいさんから
「なにかぽろんぽろんしたあたりさわりのない感じのものを いくつか録音していただけませんでしょうかー!?」
とメールを頂いたもののの、BGMとかは作った事が無いので とりあえずいくつか適当に弾いてみたものを、編集して頂きました。

アコースティックギターを弾いていると こういう、メロディの伴奏にするにはうるさいけど
ギターの独奏とするにはメロディが薄いというかほとんど無い、という 曲というにはあやふやな、BGMにはちょうど良さげなもの、を ついぼんやりと弾いてしまうと思うのですが、意外と使い道が無いので行き先が出来て嬉しかったです。

・サラマンドラ

サラマンドラは、アスタルエゴ同様、くにいさんがこれはゆなさんが歌うと良いと選んだ曲です。
アレンジとしてはちょっと捻ったものが、するっと出てきました。
ギター的にはわりと凝っている方だと思いますが、実は一番悩まなかったです。

原曲は男性ボーカルなので、原曲からキーを変える必要がありました。
ゆなさんは低い方で歌うのではないかな、と予想し
あとでカポタストでいくつか上にすればいいだろう、と考えていたのですが
くにいさんのボーカルディレクション?が「ふわぁぁぁっと高く細い感じで!」という事だったので
結局、ギター的には原曲から下げて、歌は上の方で歌われているようです。

・かんかんからす

かんかんからすは、極力地味に弾こうという思いで弾いてみたのですが
シンプルなぶん、くにいさんの持たれていたイメージも強かったのか
かなり細かくチェックを入れていただきました。
何回かとりなおしたのですが、悲しい曲なので録り直す度に切ない気持ちになるのが、地味に辛かったです。

原曲にもあるイントロと間奏の笛のフレーズは外せないなと思い、ギターで入れる事も考えたのですが
相川さんに吹いて頂きました。これがまた切なさを掻き立てます。

・キャベツUFO

キャベツUFOは、原曲がピコピコしたアレンジの曲で、音楽的にはとてもシンプルな曲だったので
ギターだけで弾くには逆に悩ましかったのですが、思い切ってボサノバ風のコードとリズムしてみたところ
原曲の譜割のままぴったりと納まり驚きました。個人的にはこれが一番アレンジとしては面白い曲になったかなと。

以前から、瀧沢さんはボサノバっぽい曲があうのではないかなー歌って頂きたいなーと思っていたので
この曲は、ぜひ瀧沢さんに歌って頂きたいとお願いしてみた、のですが、これがなんとまあとても素晴らしいですね。
そして、くにいさんのコーラスも素敵でした。
実はコーラスを入れていない段階で、良い感じに完成したなーと思っていたのですが
いろいろ足して頂いてさらに素晴らしくなりました。くにいさんのコーラスはすごい。

・わたしの紙風船

わたしの紙風船は、フォークソング的な曲でギターだけで演奏するには、ある意味、鬼門的なところがありました。
原曲もハモるところが多かったので、くにいさんにお願いしてゆなさんとお二人のツインボーカル的なアレンジにしてもらいました。
一番ゆなづきゆかり的な曲になったのではないか、と思います。

くにいさんと相談しながら、少し間奏を追加して短いギターソロを多重録音したのですが、そういえばギターソロらしいギターソロはこれだけでしたね。

・りんごのうた

りんごのうたは、ゆなさんの希望曲でした。
後から追加された曲だったのですが、他の曲の音源を探している時に見つけていて
ゆなさんが「歌おうかしら……」と言い出しそうだけど、この曲だけは弾きたくないな……と思っていました。
しかし、しっかり候補曲に入れてくださいました。さすがゆなさん裏切らない!

弾きたくなかった理由は、単純に書けば難しいからなのですが、詳しく書くと
原曲からしてギターがかなり凝っていて、ライブverはまた違う形にギターがものすごい演奏なので
自分がどうやって弾けば良いのか思いつく自信がなかったからです。

ふたつのverを、ある意味、摺り合わせたり、簡単にしたりして
あれこれ考えて頑張って弾いたのですが、ギター的にはこの曲が一番複雑で難しかったかな、と思います。
歌も難しかったそうなのですが、さすがゆなさん裏切らない!!

・ふりむけばカエル

ふりむけばカエルは、原曲が矢野顕子さんの曲で、これもゆなさんの希望曲でした。

この曲のアレンジにも、かなり悩みました。
原曲をシンプルにアレンジするのはうまくはまらなかったので
いくつかverが違う矢野顕子さんの録音から参考に出来るものを探してみました。
ピアノと歌だけのものもあったのですが、一番参考にしたのはバンド編成のverです。
このverはドラムやベースに、マンドリンやエレキギターも入った賑やかなアレンジなのですが
一番注目したのはコーラスです。
ゆなさんが男性コーラス入れてって言ったし……くにいさんもぜひって言うから……。

まず、僕がギターと簡単にピアノ弾いてざっくりとアレンジを考えてみて
次に、ゆなさんからの構成案を頂き、ピアノソロやエンディングなどを足し
最後に、セバスチャンさんには先にギターを録ったものにあわせて、ピアノを弾いてもらって完成となりました。

・ヒロミ

ヒロミは、最初は普通にじゃかじゃかと弾いてみたのですが
面白みがない上に無駄に難しく、すでに候補曲も多かったので
これはボツに……と、くにいさんに相談させてもらったところ
「子供っぽい歌をあえてお洒落に、というのはどうでしょうか」
とご提案を頂いたので、いくつか考えてみて結局ボサノバ風にしてみました。
思いの外、良い感じに出来たかなと思えて驚きましたが、これはくにいさんのアイデアですね。

アレンジを考える時はだいたい自分で、うにゃうにゃぼそぼそ歌いながら考えるのですが
このアレンジで歌うと、ボーイッシュな女の子への恋心に素直になれない男の子の歌というより
女性のコンプレックスにつけ込もうとする悪い男性の歌みたいに思えてきました……。
『ヒロミ……その薄い胸が素敵だよ……』みたいな……ボサノバというよりカサノバ……。
くにいさんに歌って頂くと、軽やかにかわいらしい歌に聞こえるようになって良かったです。

・日々
日々は、この中では一番新しい曲で、製作中にテレビでも放送されていました。

男性弾き語りデュオの方々の曲で、原曲やライブで演奏されるものも弾き語りの定番アレンジでしたので
女性ボーカル用にキーを変えた以外は、ほぼ原曲通りに弾くことを目指しました。
しいていうとイントロのフレーズを転用して、間奏やエンディングでも使っています。

とても良い曲で涙無しでは聞けませんね……。

・この広い野原いっぱい

野原は、最後の曲なので楽器を沢山入れる、という方針を、くにいさんから頂いたので
使い分けていた2種類のギターを両方と、セバスチャンさんのピアノと相川さんの笛も入れてもらいました。

僕には、この曲の歌詞がなんだか怖く思えて、ちょっと歪な感じを目指してみました。
もし気持ち悪く感じる方がいらしたらごめんなさい。

最後は、ゆなづきゆかりのお二人に締めて頂きました。

おわりに

改めて振り返ると、特に険しくはなかったのですが、約一年かけて作ったので、短い道のりではなかったです。
でも楽しかった!

こんなにたくさん弾かせて頂けて本当にありがたかったです。
今更、くにいさんとゆなさんに白状すると、僕は最初『みんなのうた』をなめていて
「童謡やフォークソングが多いみたいだから、わりと簡単に弾けそうかなー」
と考えていました。

こんなに色々なパターンを使う事になるとは思いもよりませんでした。
まさか、ボサノバ風のものを複数作る事になったり、少しだけでもフラメンコ風に弾いてみたりするとは……。

色々な曲を進めていくうちに、出来たらどの曲も歌いにくくない程度に一捻りしたものにしよう、と考え直しましたが
くにいさんやゆなさんの選ばれた曲は、どれも素敵で不思議となにかしら思いついていき、とても楽しく考えていく事が出来ました。

でも正直なところ、ヒロミのボサノバverやおしゃべりBGMの依頼が来た時などは……
yu「くにいさん、もう手持ちがありません……」
く「んー?ちょっとジャンプしてみましょうか?」
yu「えっ?(ぴょんぴょん)(ちゃらんちゃらん)」
く「あらー!良いのがあるじゃないですかー!」
……みたいに、うわあー絞られているー捻じ切られるーという気持ちにもなりましたが……。

今回「みんなのうた」の幅広さには本当に驚かされました。
そして曲を選んで来たくにいさんの選曲眼と「みんなのうた」への愛の深さにも。
不思議な事にくにいさんがメインで歌われていない曲にも、その深い愛が感じられませんか?

僕は今まで、ゆなさんに時々誘ってもらうくらいにしか、同人音楽活動をしてこなかったのですが
去年げろすりーに参加した後に、何か自分からも出来そうな事を考えてみようかな、という何気ない気持ちで
2013秋M3でくにいさんのスペースに相談させてもらいに行ったのですが
その結果こんな素敵なものに参加出来て、本当に良かったです。
くにいさん、本当にありがとうございました。

また、同人音楽を長年支えてくださっている、M3準備会の皆様にも感謝をお伝えしたいです。

そして最後に、ゆなさん、いつも色々と本当にありがとうございます。
でも、ゆなさんが選んだ曲が一番難しかったです!!

yu-ji@SnowApple

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